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漫画でわかるSDGsとサステナビリティ

漫画でわかるSDGsとサステナビリティ
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SDGsやサステナビリティを掲げる企業が増える中、その取り組みを効果的に発信する方法が求められています。そこで注目されているのが、SDGs活動を「漫画」で伝える手法です。視覚的にわかりやすく、親しみやすい漫画を活用することで、従業員や消費者に理念や取り組みを伝えやすくなります。本記事では、SDGsの基本から漫画化事例まで、企業の持続可能な活動を効果的に発信するポイントを解説します。

 昨今、SDGsやサステナビリティを掲げる企業が増えてきましたが、具体的にどのような取り組みが行われているか、ご存じでしょうか。環境への配慮や社会的責任を果たすことが求められる現代において、多くの企業が持続可能な社会の実現に向けた活動を推進しています。

 こうした取り組みを社内外に発信し、より多くの人々に理解してもらうために、SDGsの活動を漫画化する企業も増えてきました。漫画という視覚的にわかりやすい媒体を活用することで、SDGsの理念や企業の具体的な取り組みを、従業員や消費者に親しみやすく伝えることが可能になります。

 本記事では、SDGsやサステナビリティという言葉の意味とその重要性、企業がこれらの概念を掲げる理由、さらには実際にSDGsの取り組みを漫画化した事例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。SDGsが企業にとってどのような価値を持ち、社会全体にどのような影響を与えるのかを、一緒に考えていきましょう。

SDGs(えすでぃーじーず)、サステナビリティとは

SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称で、2030年までに持続可能な社会を実現するために国際的に掲げられた目標です。環境保護、経済成長、社会的包摂(インクルージョン)など、17のゴールと169のターゲットが設定されており、企業や自治体、個人がそれぞれの立場で取り組むことが求められています。

サステナビリティとは「持続可能性(Sustainability)」とは、地球環境や資源を適切に保全し、将来にわたって平和で豊かな生活が続く社会を実現するための考え方です。限りある資源を無駄にせず、環境・経済・社会のバランスを保ちながら、長期的に持続可能な仕組みを構築することが求められています。

漫画でわかるSDGSとサステナビリティ

国分グループ本社株式会社では、社内外にSDGsの取り組みを発信するため、漫画パンフレットを制作しました。本パンフレットには、実際に社員が取り組んだサステナビリティの事例が3本掲載されています。

▽スダチの廃棄を防ぎ、新商品開発に貢献

スダチが大量に廃棄されている一方で、必要なスダチを確保できずに困っている酒蔵があることに気づきました。そこで、課題の洗い出しと解決策の提案を行い、スダチの廃棄を防ぐとともに、スダチを活用した新たなお酒の販売につなげた話を漫画化しています。

①課題の洗い出し
④課題解決への道のり

▽コロナ禍での酒類ブランド立ち上げと物流課題の解決

コロナ禍で酒類の売上が低迷する中、複数の酒蔵が協力し、新たなブランドとしてブレンド日本酒を開発しました。また、新潟県では過疎化による物流の課題が深刻化していましたが、地元の物流企業と連携し、「あいのり物流」を実施することで、効率的な輸送体制を構築しました。

②ブレンド日本酒の開発
④物流問題の解決

▽実のついたサツマイモの皮の再利用

干し芋を製造する過程で、実のついた皮が年間200トン以上廃棄されていることが判明しました。そこで、加工方法を改善し、これまで廃棄されていた部分をサツマイモコロッケとして再利用する仕組みを構築しました。

②廃棄される皮の利用法を検討
④サツマイモコロッケの開発

このようなサステナブルな取り組みを行っている企業は、近年ますます増えています。では、なぜ多くの企業がこうした取り組みを進めるようになったのでしょうか?

その背景には、環境問題の深刻化や社会的責任の高まりなど、時代の変化が大きく影響しています。こうした取り組みが広がるようになった時代背景と、企業がサステナビリティに取り組む目的についてご紹介します。

SDGsが掲げる17の目標

国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」には、17の目標が設定されています。これらは、貧困や環境問題、経済格差など、地球規模の課題を解決するための指針となっており、2030年までの達成を目指しています。

それぞれの目標について詳しく解説し、SDGsが目指す未来と、私たちにできる取り組みを考えていきます。

1.貧困をなくそう

  • 目標: あらゆる形態の貧困を全世界で根絶する。
  • 詳細: 生活必需品が不足している人々への支援を強化し、収入格差を是正することで、すべての人が基本的な生活水準を享受できる社会を目指します。

2.飢餓をゼロに

  • 目標: 飢餓と栄養不良をなくし、食料安全保障を確保し、持続可能な農業を促進する。
  • 詳細: 貧困地域や食料不足が深刻な地域に支援を行い、食料生産を安定させることに重点を置きます。

3.すべての人に健康と福祉を

  • 目標: すべての人が健康的な生活を送り、あらゆる年齢層に福祉を推進する。
  • 詳細: 医療サービスの向上、予防接種の普及、感染症対策、精神的健康の改善を図ります。

4.質の高い教育をみんなに

  • 目標: すべての人が平等に質の高い教育を受けられるようにし、生涯学習の機会を確保する。
  • 詳細: 教育機会の拡大、ジェンダー平等の促進、発展途上国での識字率向上が重要な課題となります。

5.ジェンダー平等を実現しよう

  • 目標: 性別による差別をなくし、女性と女児のエンパワーメントを図る。
  • 詳細: 女性の教育・就労機会の確保や、家庭・社会での平等な権利の実現を推進します。

6.安全な水とトイレを世界中に

  • 目標: すべての人が安全な水と衛生的なトイレにアクセスできるようにする。
  • 詳細: 清潔な飲料水の供給、下水処理設備の整備、水資源の持続可能な管理が求められます。

7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに

  • 目標: 手頃で信頼できる、持続可能なエネルギーをすべての人に提供する。
  • 詳細: 再生可能エネルギーの導入を促進し、電力不足地域に電力を供給します。

8.働きがいも経済成長も

  • 目標: 持続可能な経済成長を達成し、すべての人に働きがいのある雇用を提供する。
  • 詳細: 労働環境の改善、賃金格差の是正、産業振興に取り組みます。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

  • 目標: 持続可能な産業を推進し、イノベーションを支援し、インフラを整備する。
  • 詳細: デジタル技術やインフラへの投資、起業支援を通じて、持続可能な発展を目指します。

10.人や国の不平等をなくそう

  • 目標: 国内外の不平等を是正する。
  • 詳細: 経済的・社会的格差を縮小し、発展途上国やマイノリティへの支援を強化します。

11.住み続けられるまちづくりを

  • 目標: 包摂的で安全、強靭(レジリエント)かつ持続可能な都市と人間居住を実現する。
  • 詳細: 交通インフラの整備、安全な住宅の確保、防災対策の強化を推進します。

12.つくる責任、つかう責任

  • 目標: 持続可能な生産と消費のパターンを確立する。
  • 詳細: 資源の効率的利用、廃棄物削減、リサイクルの推進が求められます。

13.気候変動に具体的な対策を

  • 目標: 気候変動とその影響を軽減するための緊急行動を取る。
  • 詳細: 二酸化炭素排出削減、再生可能エネルギーの利用促進が重要な課題です。

14.海の豊かさを守ろう

  • 目標: 海洋資源を保護し、持続可能な形で利用する。
  • 詳細: 海洋汚染の防止、持続可能な漁業の確立、生態系の保全を目指します。

15.陸の豊かさも守ろう

  • 目標: 陸域生態系を保護・回復し、生物多様性を維持する。
  • 詳細: 森林破壊の防止、砂漠化対策、絶滅危惧種の保護に取り組みます。

16.平和と公正をすべての人に

  • 目標: 包摂的で平和な社会を実現し、すべての人が司法アクセスを受けられるようにする。
  • 詳細: 紛争解決、人権擁護、法治主義の確立を支援し、平和な社会の実現を目指します。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

  • 目標: 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバルなパートナーシップを活性化する。
  • 詳細: 国際協力の促進、資金援助、技術移転を進め、全世界での連携を強化します。

SDGsが強調されるようになった背景

SDGs(持続可能な開発目標)が注目されるようになった背景には、世界が直面する複雑で多様な課題の解決が急務となったことがあります。

貧困や気候変動、資源の枯渇、経済格差など、地球規模の問題が深刻化する中で、国際社会は持続可能な社会の実現に向けた具体的な指針を必要としていました。こうした状況を受け、2015年に国連で採択されたSDGsは、環境・経済・社会の3つの側面をバランスよく発展させることを目指し、世界共通の目標として設定されました。

SDGsは、国や企業、自治体、個人がそれぞれの立場で取り組むことが求められており、近年ではビジネス戦略の一環として採用する企業も増えています。

MDGs(ミレニアム開発目標)の達成期限

SDGsの前身となる目標

SDGsの前身として、2000年に国連が採択した「MDGs(ミレニアム開発目標)」があります。この目標は、2015年までに貧困の削減、教育の普及、乳幼児死亡率の低下、感染症対策など、人道的課題の解決に焦点を当てたものでした。

MDGsの成果と課題

MDGsの取り組みにより、一定の成果が得られたものの、貧困、環境破壊、不平等といった問題は依然として深刻なままでした。また、MDGsでは環境問題やジェンダー平等に対する取り組みが十分ではなく、経済や社会全体を包括的に持続可能な形で発展させる新たな枠組みが求められました。

こうした背景から、より幅広い視点を持つSDGsが2015年に策定され、経済・社会・環境の3つの側面を統合的に発展させることが目指されるようになったのです。

地球規模の課題の深刻化

気候変動

  • 気温上昇や異常気象、海面上昇、森林破壊などが進行し、環境問題が地球全体の持続可能性を脅かす大きな要因となっています。これにより、生態系の崩壊や食料生産への影響が深刻化しています。

貧困・飢餓の根強い存在

  • 世界では依然として多くの人々が貧困や飢餓に苦しんでおり、食糧や水の供給が不安定な地域が存在します。また、医療や教育へのアクセスが不十分なため、健康や生活の質が著しく損なわれている現状があります。

社会の不平等

  • 世界的な経済成長が進む一方で、貧富の差やジェンダー不平等、人種差別などの社会的不平等が深刻化しています。特に、経済的・社会的に弱い立場にある人々が適切な機会を得られない状況が、持続可能な社会の実現を妨げる要因となっています。

グローバル化による相互依存の強化

課題の複雑化

グローバル化の進展により、ひとつの国や地域の課題が他国や地球全体に影響を与える状況が顕著になりました。例えば、先進国の大量消費が発展途上国の環境破壊を助長するなど、国際的なつながりが問題をより複雑にしています。

協調の必要性

気候変動、感染症、国際貿易の不均衡など、各国が協力しなければ解決できない課題が増加したため、包括的な目標設定が求められるようになりました。こうした背景から、SDGsは国際社会全体で取り組むべき共通の指針として策定されました。

「持続可能な開発」という考え方の普及

1987年の「持続可能な開発」概念の提唱

国連が発表した「ブルントラント報告書」で、「持続可能な開発(sustainable development)」という概念が初めて提唱されました。この概念は、「現在の世代のニーズを満たしつつ、将来世代が自らのニーズを満たす能力を損なわない開発」を意味します。

RIO地球サミット(1992年)

持続可能な開発の重要性を再確認するための国際会議が開催され、環境保護と経済発展のバランスを取ることが世界的な目標として明確になりました。この会議を契機に、持続可能性に関する国際的な取り組みが本格化しました。

持続可能性への危機感

人口増加

世界人口の急増により、食料、エネルギー、水資源などの需要が急激に増大しています。このままでは資源の枯渇が避けられず、持続可能な社会の維持が困難になるという危機感が広がりました。

生物多様性の喪失

環境破壊や都市化の進行により、多くの動植物種が絶滅の危機に瀕し、生態系全体が危険にさらされています。これにより、地球の自然環境そのものが持続不可能な状態に近づきつつあります。

SDGsの採択(2015年)

国際的な合意

2015年9月、国連総会においてSDGsが正式に採択され、国際社会の共通目標として掲げられました。この目標は、経済成長、社会的包摂(インクルージョン)、環境保護の3つの側面をバランスよく追求することを目指しています。

普遍的目標

MDGsが主に発展途上国を対象としていたのに対し、SDGsはすべての国が達成すべき「普遍的目標」として設定されました。これにより、先進国も含めたグローバルな取り組みが求められるようになりました。

SDGsの具体的な意義

すべての人を対象に

SDGsは、貧困層だけでなく、先進国の人々や次世代も含め、「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」という理念を強調しています。これは、すべての人が持続可能な社会の恩恵を受けられることを目指すものです。

課題の統合的解決

経済、社会、環境の各側面は相互に関連しており、個別の課題ではなく、統合的に解決することが重要です。SDGsは、この相互関係を考慮し、包括的なアプローチを取ることで、持続可能な未来の実現を目指しています。

まとめ

SDGsやサステナビリティの基本概念、企業が取り組む理由、そして実際の事例について紹介しました。近年、多くの企業が持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動しており、その取り組みをより多くの人に伝えるために漫画を活用するケースも増えています。

SDGsは、単なる国際的な目標ではなく、企業や個人がそれぞれの立場で取り組むべき指針でもあります。気候変動や資源枯渇、社会の不平等といった課題が深刻化する中、持続可能な未来を築くためには、私たち一人ひとりの意識と行動が重要です。

企業がSDGsを取り入れる背景には、社会的責任の向上だけでなく、ビジネスチャンスの創出やブランド価値の向上といった側面もあります。今回紹介したような実際の事例を通じて、サステナブルな取り組みがどのように社会に貢献し、経済活動と結びついているのかを理解し、私たち自身もできることから行動に移していきましょう。

FAQ

Q

SDGsとサスティナビリティの違いは?

A

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略で、2030年までに環境保護、経済成長、社会的包摂などを実現するために国際的に定められた17のゴールと169のターゲットの集合体です。一方、サステナビリティ(持続可能性)とは、限りある資源を大切にし、環境、経済、社会のバランスを保ちながら、将来にわたって平和で豊かな生活が送れる社会を目指す考え方を指します。

Q

企業が求められるSDGsやサステナビリティの取り組みとは?

A

SDGsやサステナビリティの基本概念に基づき、環境保護、経済成長、社会的包摂のバランスを追求することです。社会的責任を果たすと同時に、ビジネスチャンスやブランド価値の向上を目指し、実際の取り組み事例をもとに積極的に行動します。さらに、漫画などのビジュアル媒体を活用してその取り組みを広く伝え、持続可能な未来づくりに貢献する姿勢が求められます。