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SNS広告の種類を解説!日本(世界)でのシェア率と客層、広告費用の目安


SNS広告は今やマーケティングに欠かせない存在ですが、プラットフォームごとの特徴やユーザー層を把握しなければ効果は出ません。流行の移り変わりが激しい中で、各SNSのシェア率や広告費用、得意な表現手法を理解し、ターゲットに合わせた最適な運用をすることが成果への近道です。本記事では主要SNSの最新動向を解説します。
近年、SNS広告の種類は増減を繰り返しています。新しいものが登場して流行したり、以前人気だったものが廃れたりする中で、効果的に運用するためには、各SNS広告のシェア率やユーザー層を把握しておく必要があります。
現在、SNS広告は企業や個人事業主にとって欠かせないマーケティング手法の一つとなっています。しかし、多様なSNS広告の種類に、マーケターは悩まされることも多いでしょう。いざSNS広告を始めようと思っても、「どのSNSを選ぶべきか」「どのSNSがターゲット層に合っているのか」「広告費用はどれくらいかかるのか」といった疑問が浮かび上がります。今回は、マーケターがSNS広告運用で悩む、「日本で主要なSNSのシェア率やユーザー層の特徴、広告費用の目安」について解説していきます。
目次
日本で流行っているSNSの種類

2025年3月時点で、日本における主要なSNSは以下のとおりです。
- LINE(2011年): 9,700万人のユーザーが利用する、日本で最も普及しているコミュニケーションツールです。
- YouTube(2005年) : 7,120万人のユーザーが動画視聴を楽しんでいます。
- X(旧Twitter)(2006年): 6,700万人のユーザーが情報発信や交流に利用しています。
- Instagram(2012年) : 6,600万人のユーザーが写真や動画の共有を行っています。
- TikTok(2020年) : 2,700万人のユーザーが短尺動画を投稿・視聴しています。
- Facebook(2004年) : 2,600万人のユーザーが利用しています。
特筆すべきは、TikTokが2020年の展開からわずか5年で急速に成長したことです。
SNSの流行は時代とともに変化しており、かつて大きな影響力を持っていたニコニコ動画やmixiなどのプラットフォームは、現在では利用率が低下しています。
SNS広告を効果的に運用するためには、各プラットフォームの利用率やユーザー層を正確に把握し、ターゲットに適したSNSを選択しなければなりません。特に、日本と世界では利用されるSNSが大きく異なる点に注意が必要です。

LINE(SNS利用率:日本No.1、世界No.圏外)
LINEのシェア率とユーザー層:
日本国内では、LINEは圧倒的なシェアを持ち、SNS利用者の約95%が利用しています。特に20代から30代の利用率は98%を超えており、広告におけるターゲット層としても非常に優秀です。
LINE広告の費用目安:

LINE広告は費用対効果が高く、比較的小規模な予算でも運用が可能です。
“LINE広告には決まった料金や初期費用がなく、広告主が金額を自由に設定できます。
事前に予算の上限金額を設定できるため、少額の予算から安心して始められます。
広告配信を始めた後から金額を変更することも可能で、成果に応じて予算を増やしたり減らしたり柔軟な運用ができます。”
オススメ表現手法:
インタラクティブなスタンプやクーポンを活用した広告が効果的です。また、LINE公式アカウントを利用してユーザーにダイレクトに訴求する手法も有効です。
他のSNSとは異なり、LINE内での情報検索は一般的でないため、ユーザーの検索行動に応じた広告出稿は現状できません。ユーザー自身が広告アカウントを検索して友だち追加するか、固定の広告枠に表示するか、オープンチャットでランダムに配信するなどの方法があります。
ニュース検索機能はありますが、これはYahooの検索につながります。また、最近ではLINE VOOMというショート動画プラットフォームが併設されており、LINEアプリ内でハッシュタグ検索などが可能で、TikTokに近いインターフェースが提供されています。ここではフォローしているアカウントのタブがあり、それらのアカウントの情報を閲覧できます。LINEは日本人の生活に最も溶け込んだSNSと言えるでしょう。
LINE広告オススメ広告分野:
- ローカルなプロモーションや生活関連商品
- アパレル
- 飲食業
YouTube(SNS利用率:日本No.2、世界No.1)
シェア率:
日本では圧倒的なシェアを持ち、SNS利用者の約87%がYouTubeを利用しています。国内ではLINEに次いで全年齢層に高いシェア率を誇り、日本のSNS広告においても認知度が高いと言えるでしょう。さらに、世界的にもシェア率No.1の非常に人気の高い動画広告が主流のプラットフォームです。
客層:
10代から50代までの幅広いユーザーが利用しており、エンターテインメント、趣味、ライフスタイルに関連するコンテンツに強みを持っています。
広告費目安:
動画広告は画像広告と比較して、制作に費用と工数が多くかかります。初期費用として動画広告を作成する必要があり、社内で簡単なものであれば0円で作成可能ですが、外部に委託する場合、5万~30万円程度の予算が一般的です。
また、YouTube広告のCVR(コンバージョン率)は約2%と言われています。例えば、250個の商品を販売したい場合、12,500回のクリックが必要となります。最も一般的な「スキップ可能なインストリーム広告」の場合、1クリックあたりの平均費用は15円(費用相場は2円~25円)とされており、計算上、約18万7,500円の広告費が必要となります。ただし、商品によって費用相場は変動するため、高額商品などの場合はこの限りではありません。
YouTube広告の課金方法は以下の3つになります。
▶CPV(Cost Per View/視聴単価)
ユーザーが動画広告を一定の時間視聴するたびに課金される仕組み
▶CPC(Cost Per Click/クリック単価)
ユーザーが広告をクリックするごとに課金される仕組み
▶CPM(Cost Per Mille/表示単価)
CPMは、動画広告が1,000回表示されるごとに課金される仕組み
3種類の課金方法があり、6つの広告の出し方(種類)があります。
広告の種類 | 課金方法 | 費用相場 |
インストリーム広告(スキップ可能) | 30秒以上視聴(CPV) クリック(CPC) | 2円~25円ほど / 1回 |
インストリーム広告(スキップ不可) | 表示回数、1,000回~(CPM) | 400円~600円ほど |
インフィード動画広告 | クリック(CPC) | 3~20円ほど / 1クリック |
バンパー広告 | 表示回数、1,000回~(CPM) | 400円~600円ほど |
アウトストリーム広告 | 表示回数、1,000回~(CPM) | 400円~600円ほど |
マストヘッド広告 | 表示回数、1,000回~(CPM) | 数百万~1億円以上 |
広告形式ごとに費用対効果やターゲットとの親和性が異なるため、商材やキャンペーンの目的に合わせて最適な形式を選択することが重要です。
おすすめの表現手法:
ショートフォームの広告やインフルエンサーとのコラボレーションが効果的です。特に、YouTubeショート広告は短時間で視聴者にインパクトを与え、ブランドのメッセージを効果的に伝えられるのが特徴です。 また、インフルエンサーとの協業により、ターゲット層へのリーチを拡大し、信頼性を高めることができます。
おすすめの広告分野:
- エンターテインメント
- ファッション
- ライフスタイル商品
- テクノロジー関連など
Instagram(SNS利用率:日本No.4、世界No.4)
Instagramは、日本国内で約6,600万人の月間アクティブユーザーを持ち、SNS利用者の約50%が利用しており、特に女性ユーザー数が高いことが特徴です。
客層:
Instagramのユーザー層は、10代から20代の若年層の利用率が70%以上と高く、30代~40代でも50%以上が利用しています。特に女性の利用率が高い傾向があります。
広告費目安:
Instagram広告の平均クリック率(CTR)は1~2%程度(Sprout Social, Inc.の調査)とされています。 クリック単価(CPC)は業種やターゲティングによって異なりますが、パフォーマンスが最も高いキャンペーンでは、3% 以上を達成できる場合もあります。
オススメ表現手法:
高品質な写真や動画、ストーリーズ広告、インフルエンサーとのコラボレーションが特に効果的です。視覚的なコンテンツがユーザーの興味を引きやすいため、クリエイティブなアプローチが求められます。
オススメ広告分野:
- ファッション
- 化粧品
- ライフスタイル
- 食品
- 女性向けの商品やサービス
X(SNS利用率:日本No.3、世界No.9)
シェア率:
日本では、X(旧Twitter)はSNS利用者の約45%以上が利用しており、中堅の位置にあるテキストベースでのコミュニケーションツールです。日本では中堅の位置にあり、テキストベースでのコミュニケーションが中心です。
数あるSNSの中でも、投稿までの工数が少なく、拡散性が最も高い点が特徴です。そのことから、情報をシェアしてから拡散されるまでの時間は他のSNSと比較にならないほど早く、現代では最も鮮度の高い情報収集元と言っても過言ではないでしょう。
客層:
20代が最も多く78%以上のユーザーが使用しています。次いで10代、30代が55%前後となっており、若年層への影響が強いSNSです。
広告費目安:
Xの広告費用は比較的安価で、1インプレッションあたり数円~数十円程度です。予算は30万円ほどが多い層になっています。
全体のクリック率(CTR)の平均は1.5%ほど、コンバージョン率(CVR)の平均は1%未満とされており、ほかのSNSと比較すると低い数値です。
オススメ表現手法:
リアルタイムでの更新や情報提供が効果的です。 特にキャンペーン情報や速報を活用することで、ユーザーの関心を引きやすくなります。
オススメ広告分野:
- ニュースメディア
- テクノロジー
- ビジネス関連
- 商品レビュー
- 情報商材
TikTok(SNS利用率:日本No.5、世界No.5)
シェア率:
TikTokは2020年に展開された現在流行しているSNSでは最も新しいものです。日本国内におけるTikTokの月間アクティブユーザー数(MAU)は約2,700万人(2023年9月時点)で、全体の利用率は約28%と低く見えますが、10代のシェア率は66%以上と強い支持があるSNSとされています。
客層:
10代の利用率が他の年代より圧倒的に高く、特に10代のシェア率は66%以上とされており、利用者は女性の方が多いです。 また、20代の利用率も47%以上と高く、若年層を中心に急成長しています。
広告費目安:
TikTok広告のコンバージョン率は業界によって異なりますが、CVRは0.5%~2.6%と言われており、他のSNSと大差はありません。
TikTokは若年層ユーザーが多いため、高額商品よりも低価格商品との相性が良く、費用対効果が高いとされています。 ユーザー層が若年層に偏っているため、ターゲットを絞りやすく、無駄の少ない広告配信が可能です。 また、ショート動画が中心のプラットフォームであるため、動画制作のコストや手間を抑えることができます。
最も一般的なインフィード広告(おすすめ欄に動画広告を表示する形式)は、比較的低予算から始められることが特徴です。 さらに、運用型広告では、クリック課金(CPC)やインプレッション課金(CPM)など、柔軟な課金方式が選択可能で、予算に応じた効果的な広告運用が可能です。
オススメ表現手法:
ユニークな挑戦やダンス、オリジナル音楽を使った広告が効果的です。 ショート動画形式で短時間にインパクトを与えることで、ユーザーの関心を引きやすくなります。
オススメ広告分野:
- 若年層向けのファッション
- 化粧品
- エンタメ
- ゲーム
Facebook(SNS利用率:日本No.6、世界No.3)
Facebookは世界的に高いシェアを持つSNSですが、日本国内での利用率は約29%と、他の主要SNSと比較して低めです。 日本国内においてはビジネス寄りの印象で若年層からは敬遠気味になっています。
特に10代のシェア率は非常に低く11%しかありません。最も多いのは30代で46%ほどです。
客層:
日本国内では、30代の46.5%、40代の38.2%が利用しており、全年齢において突出した客層を持たず、全体的なシェア率も低いことから日本においては扱いづらいSNSとも言えます。
しかし、ビジネス目的での利用は多くビジネス関連の広告であれば親和性が高いといえます。
広告費目安:
Facebook広告は、SNSの中でも最も個人情報を多く保持していると予測され詳細なターゲティングが可能で、広告の無駄打ちを減らすことができます。 、CPMも数百円から数千円まで予算や配信期間に応じて柔軟に設定が可能です。
オススメ表現手法:
ターゲティング精度の高さを活かし、ユーザーの興味・関心に合わせたコンテンツを提供することが効果的です。 また、シェアを促すキャンペーンや投稿も効果的です。
オススメ広告分野:
- ビジネス関連
- ライフスタイル
- サービス業
- 地域密着型の広告
まとめ
SNS広告は、各プラットフォームごとにターゲット層、広告費用、広告手法が異なります。画像が得意なInstagram、拡散性と短文が得意なX(旧:Twitter)、短い動画はTikTok、長い動画はYouTube、そして日本人の生活に最も溶け込んでいるLINEなど、それぞれの特徴を踏まえて上手にSNS広告を運用することで、商品やサービスを戦略的に多くのユーザーにリーチし、効果的なマーケティングを行うことができます。
FAQ
SNS広告の媒体ごとの特徴は?
Instagramは視覚的な魅力で訴求し、X(旧Twitter)はテキスト+画像・動画で拡散性に優れます。TikTokは短い動画で若年層にアピールし、YouTubeは長尺動画で詳細な情報を伝えます。LINEは日本人の日常に溶け込んだ直接コミュニケーションが特徴です。SNS広告は、各媒体の特性を活かした運用が必要です。
日本で流行っているSNSの種類は?
2025年3月時点で、日本で流行する主要なSNSは、LINE(約9,700万人)、YouTube(約7,120万人)、X(旧Twitter、約6,700万人)、Instagram(約6,600万人)、TikTok(約2,700万人)、Facebook(約2,600万人)です。特にTikTokは急成長中で、かつて人気のニコニコ動画やmixiは利用率が低下しています。各SNSの利用率やユーザー層を正確に把握し、ターゲットに合わせた運用が重要です。
配信先はどのような基準で選定したらいい?
SNS広告の配信先は、各媒体の利用率、年齢層、広告費用、掲載形式などの特徴を基に選定します。自社のターゲット層や商品特性に合致するSNSを把握し、日本と世界の利用傾向の違いも考慮。費用対効果や運用の柔軟性を評価して、最適な広告媒体を選ぶことが重要です。