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売上を伸ばす!効果的なリードナーチャリングとは?

売上を伸ばす!効果的なリードナーチャリングとは?
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見込み客を顧客へと育成する「リードナーチャリング」は、現代のマーケティングにおいて不可欠な戦略です。特にBtoBや高額商品の分野では、顧客の購買決定までに時間がかかるため、適切な情報提供と関係構築が成約率向上の鍵となります。本記事では、漫画を活用したリードナーチャリングの基本概念から、具体的な施策、成功事例までを徹底解説。売上アップにつながる効果的な手法を学び、ビジネスの成長を加速させましょう。

リードナーチャリングとは

リードナーチャリングとは、見込み客(Lead=リード)を育成し(Nurturing=育てる)、購買意欲を高めて顧客へと導くマーケティング手法です。具体的には、メール配信やセミナー、資料提供などを通じて、見込み客に継続的に有益な情報を提供し、関心を深めてもらう活動を指します。これにより、見込み客との信頼関係を構築し、最終的な購買につなげることが可能となります。

なぜリードナーチャリングが重要なのか?

リードナーチャリングが重要な理由は、見込み客の多くがすぐに購入に至らないためです。特にBtoB(企業向け)や高額商品のBtoC(消費者向け)では、検討期間が長く、比較や情報収集を経て意思決定が行われます。

この間、適切な情報を継続的に提供し、購買意欲を高めることが成約率の向上につながります。また、営業の効率化の観点でも重要です。見込み客すべてに営業をかけるのは非効率ですが、リードナーチャリングを通じて購買意欲の高い「ホットリード」を見極めることで、営業リソースを最適化できます。さらに、顧客との関係性を強化し、長期的な売上につなげるメリットもあります。継続的な情報提供により、信頼を築き、将来的な取引の可能性を高められます。

いつからリードナーチャリングが重要視されるようになった?

リードナーチャリングが重要視されるようになった背景には、ITの普及が大きく影響しています。昭和初期にはこのような概念は存在しませんでした。

実際、リードナーチャリングは2008年頃から日本で注目され始め、同時期にマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれる自動化ツールも普及し始めました。これにより、メールマーケティング、スコアリング、コンテンツ配信などが自動化され、リードナーチャリングがマーケティング戦略の中心となっていきました。

さらに、インターネットやSNSの発展により、顧客が自ら情報収集を行う時代となり、企業側からの一方的な売り込みではなく、価値ある情報を提供して顧客に選ばれることが求められるようになりました。このような背景から、リードナーチャリングの重要性が一層高まっています。競合他社と比較しても、押し売りを行う企業よりも、リードナーチャリングを徹底している企業の方が顧客を大切にしていると感じられ、信頼を得ることができるでしょう。

リードナーチャリングの種類

リードナーチャリングには、見込み顧客の購買意欲を高めるためのさまざまな手法があります。主なものを以下にまとめました。

  1. メール配信: 見込み顧客の興味や関心に合わせた内容のメールを定期的に送信し、関心を高めます。
  2. オウンドメディアの活用: 自社ブログやウェブサイトで有益な情報を提供し、顧客の信頼を築きます。
  3. セミナーやウェビナーの開催: オンラインやオフラインでセミナーを実施し、直接的なコミュニケーションを図ります。
  4. SNSの活用: ソーシャルメディアを通じて情報を発信し、顧客との関係を深めます。
  5. ダイレクトメール(DM): 特定の見込み顧客に対して、郵送や電子メールで直接的な情報を提供します。
  6. フォローコール: 電話を通じて、顧客のニーズや関心を直接確認し、関係を強化します。

見込み顧客の状況やニーズに合わせたアプローチを行うことで、効果的なリードナーチャリングが可能となります。

リードナーチャリングにおける成功とは?

「自社の商品に高い関心を持つユーザーの購買意欲を育て、最終的に購入へと導くこと」です。最終目標は商品の購入やサービスの契約であり、多くの見込み客を時間をかけて育成しても、購入に至らなければリードナーチャリングの施策は失敗といえます。

弊社では、展示会やWebセミナーで獲得したリードに対し、マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用してステップメールを配信しています。週に2~3回、広告漫画の訴求やウェビナー、展示会の案内などを定期的に配信し、顧客に最新情報を継続的に提供するサイクルを構築しています。

リードに配信している漫画メルマガ

その結果、メルマガ経由での問い合わせや受注が継続的に発生しています。

2024年の実績では、メルマガをきっかけとした問い合わせが200件を超え、数千万円の受注につながりました。メルマガによるナーチャリングは、中長期的な施策として、自社のサービスや商品の魅力を顧客に直接届ける手段です。テーマや配信時期を計画し、継続的に配信し続けることが重要です。

また、月に1~2回の頻度で、顧客に対して広告漫画の効果に関する自社開催のウェビナーを実施しています。ウェビナーは、複数の顧客に対して自社サービスを効果的に訴求できるため、ナーチャリング施策として有効な手段となっています。

特に、ウェビナーは商品やサービスの理解度を深めることができ、リアルタイムでの双方向コミュニケーションが可能であるため、参加者の満足度向上につながります。

リードナーチャリングのメリット

成約率の向上

見込み顧客に適切な情報を提供することで、購買意欲が高まり、最終的な成約率が向上します。

営業効率の改善

営業担当者が購買意欲の高いリードに集中できるため、無駄なアプローチが減り、効率が向上します。

継続的な関係構築

定期的な情報提供により、見込み顧客との関係を強化し、将来的な商談につなげることが可能です。また、信頼を築くことで、別の案件相談なども受けやすくなります。

これらのメリットを活かすことで、リードナーチャリングは企業の売上向上や顧客満足度の向上に寄与します。リードナーチャリングには多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。

リードナーチャリングのデメリット

成果が出るまで時間がかかる

リードナーチャリングは、見込み顧客の購買意欲を高めるために中長期的な戦略が必要です。短期間での成果は期待しにくくその間に他のユーザーへのアプローチを検討する意見もあります。特に、客単価が数百円から数千円程度の低価格帯の商品やサービスの場合、リードナーチャリングにかける人件費が利益を上回る可能性があります。したがって、すべての商品やサービスにリードナーチャリングが適しているとは限りません。

コンテンツ制作の負担

顧客の関心を維持するためには、質の高いコンテンツを継続的に提供する必要があります。時代の変遷とともに人気のコンテンツは変化するため、常に最新の情報やトレンドを反映したコンテンツ制作が求められます。また、配信媒体も多岐にわたるため、コンテンツ制作には相応の工数がかかります。優先順位を設定し、計画的な配信を心がけることが重要です。

適切なツールの選定が必要

効果的なリード育成には、マーケティングオートメーション(MA)や顧客関係管理(CRM)などの適切なツールの活用が不可欠です。すべてを手作業で管理することは難しく、例えばエクセルで一元管理しようとすると、入力の手間や人為的ミスが発生しやすくなります。自動化されたツールを導入することで、効率的な管理やユーザーのセグメント化が可能となり、適切なアプローチが実現できます。工数削減やミス防止のためにも、適切なツールの選定と活用が求められます。

リードナーチャリングに有効なツール

リードナーチャリングにおける有効なツールの主なものは、マーケティングオートメーション(MA)です。MAは、マーケティング活動を効率化し、見込み客の購買意欲の度合いに応じてセグメントし、適切なアプローチを管理する仕組みです。

Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot):株式会社セールスフォース・ジャパン

Salesforceと一体化したB2B向けマーケティングオートメーションツールです。顧客のWebアクセスを詳細に分析し、メールシナリオを設定し、Salesforceとの連携を通じて、マーケティング活動とセールス活動を統合し、営業効果を最大限に引き出すことが可能です。

Adobe Marketo Engage:アドビ株式会社

多機能で、使いこなすことで競合他社に対して優位性を持てるマーケティングオートメーションプラットフォームです。ただし、機能が豊富で細かいため、習得には時間がかかる場合があります。

HubSpot Marketing Hub(ハブスポット マーケティング ハブ):HubSpot Japan株式会社

直感的な操作性が評価されており、HTMLメールの作成もドラッグ&ドロップで簡単に行えます。初期費用や月額利用料が比較的低いため、MAツールの導入を検討している企業にとって試しやすい選択肢となっています。

SATORI(サトリ)SATORI株式会社

日本製のMAツールで、言語の壁がなく、日本のユーザーにとって使いやすい仕様となっています。カスタマーサポートも充実しており、公式マニュアルも分かりやすく提供されています。操作の難しさや高額な価格に不安を感じる方には、SATORIが適した選択肢となるでしょう。

SHANON MARKETING PLATFORM(シャノン マーケティング プラットフォーム)シャノン株式会社

こちらも日本製のMAツールで、手厚いサポート体制が特徴です。担当者との定期的な打ち合わせや個別相談にも対応しており、MAツールの導入や運用に不安がある企業でも安心して利用できます。

各ツールにはそれぞれ特徴があり、価格、機能、ユーザーインターフェース、サポート体制などが異なります。複数のツールを比較検討し、社内のリソースやニーズに合ったものを選ぶことが重要です。各社の公式サイトや資料を参考に、社内の人材と相談もしながら決めていきましょう。

リードナーチャリングにおける施策フロー

①顧客層を理解する

無計画に展示会やイベント、Web広告でアプローチしても成果は上がりにくいものです。まずは顧客層を理解し、ユーザーの現状やニーズを把握しましょう。

  • 自社のターゲット顧客を明確にする(業界、企業規模、役職、課題、悩みなど)
  • 既存顧客のデータを分析し、共通点を見つける
  • ペルソナ(代表的な顧客像)を設定し、ニーズや購買行動を仮定・整理する

② リードを獲得する(展示会、Web広告、ホワイトペーパーのダウンロードなど)

顧客層を理解した上で、以下の方法でリードを効果的に獲得します。

  • リアルイベント(展示会・セミナー)を開催し、名刺交換やアンケートでリードを獲得
  • Web広告(SNS広告、リスティング広告)を活用してリードを獲得
  • コンテンツ(ホワイトペーパーやeBook)を提供し、ダウンロード時にリード情報を取得
  • オウンドメディア(ブログやコラム)で有益な情報を発信し、問い合わせや会員登録へ誘導

③ 獲得したリードをセグメント化する

リードの興味・関心レベルや役職などで分類し、適切なアプローチを行います。

興味・関心レベルでの分類

  • 名刺交換のみ
  • 名刺交換+セミナー参加
  • 名刺交換+セミナー参加+アンケート回答

また、役職(経営層、部長クラス、現場担当者)も重要で、決済権限を持っているかどうかによって重要度や提供するコンテンツも変わってきます。
それぞれに最適なコンテンツを提供できるように、しっかりとセグメント化していきましょう。

④ リードに最適なコンテンツを提供する

ステップメール(登録後に段階的に情報を提供していくメール)を配信する。

  • お礼メール
  • 導入事例
  • 課題解決のポイント
  • 具体的なサービス紹介
  • セミナー案内

ブログ・記事:リードの関心に応じた内容を配信し、購買検討を後押しする

  • 初期段階:導入事例、メリット、お客様の声など
  • 購入検討段階:競合比較、料金プラン、サポート体制など

ウェビナーは、全国から距離を気にせず参加しやすく、会場費も不要なため、参加率が高くオススメですな施策です。

  • ウェビナー:製品紹介や業界トレンドを解説するオンラインセミナー

⑤ スコアリングと評価

リードの行動データを基に、購買意欲を測定します。

スコアリング:リードの行動に応じて点数を加算

  • メール開封:+5点
  • ウェビナー参加:+10点
  • デモ申し込み:+20点

一定のスコアに達したリードを「ホットリード」として、行動データ(接触のきっかけ、過去のイベント参加履歴、メール開封履歴、アンケート回答内容、会社概要、部署、業績、役職、課題など)を基に購買の可能性を判定します。

⑥ 営業連携

スコアの高いホットリードとして特定された顧客リストは、購買意欲が高いと考えられます。

  • ホットリードの情報を営業担当者に共有
  • 行動履歴や関心事項を伝え、効果的な商談をサポート

営業担当者は、事前に正確な情報を収集し、商談の際にそれらを活用することで、信頼を築くことができます。
ホットリードに対して、「弊社のことを何も知らないのですね。話が噛み合っていないようです。」といった状況は絶対に避けるべきです。
そのため、可能な限り、確定している情報とともに行動履歴などのデータも共有しましょう。

⑦ フォローアップと関係維持

定期的な情報提供で、顧客との関係を維持します。

  • メールマガジンやニュースレターで最新情報を提供
  • 定期的な面談(オンライン・オフライン)で現状のヒアリングやフィードバックを収集

定期的な情報提供(メールマガジンやニュースレターなど)を通じて、最新情報やアップデートを顧客に届け、関係性を維持しましょう。放置すると、顧客が競合他社へ流れる可能性が高まります。また、オンラインや対面での定期的な面談を実施し、現状の課題や要望などのフィードバックを収集することも重要です。これにより、顧客との信頼関係を強化し、長期的な関係を築くことができます。

⑧ ブラッシュアップとPDCA

①~⑦までで一通りの施策フローが完結しています。今後はさらにリードナーチャリングを効率化するためにデータを収集し、過去のデータを基にしたアプローチを優先するなどの施策が必要になってきます。また、営業担当者やカスタマーサポートと連携して、直近の顧客の状態や過去と比較した際の変化を詳しく知ることも必要です。

そこで、データを整理して、成約につながった事例を参考に、上記の①~⑦のフローをブラッシュアップしていきましょう。その際にもPDCA(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善))を意識して取り組みましょう。

まとめ

リードナーチャリングは、単なるリード獲得ではなく、成約に向けて購買意欲を高める取り組みです。顧客層の理解から始まり、リードの獲得・セグメント化、最適なコンテンツの提供、スコアリングによる評価、営業との連携、フォローアップと関係維持まで、一連の施策を継続的に実施することが重要です。

また、成果を最大化するためには、マーケティングオートメーション(MA)などのツールを活用し、PDCAサイクルを回しながら施策を改善していくことが求められます。短期的な結果を求めるのではなく、中長期的な視点で戦略を立て、効果的なリードナーチャリングを実践していきましょう。

FAQ

Q

リードナーチャリングが重要な理由は?

A

リードナーチャリングが重要なのは、見込み客がすぐに購入に至らず、比較や情報収集を経て意思決定を行うためです。適切な情報提供を継続することで、購買意欲を高め、ホットリードを見極めて営業リソースを最適化できます。また、IT普及とマーケティングオートメーションの進化により、顧客が自ら情報収集する時代に突入したため、一方的な売り込みではなく価値ある情報を提供し、信頼関係を構築することが長期的な売上向上に直結するからです。

Q

リードナーチャリングのメリットとデメリットは?

A

リードナーチャリングは、見込み客に対して継続的に有益な情報を提供することで、購買意欲を高め成約率を向上させるとともに、効率的な営業活動と信頼関係の構築に寄与します。一方、効果が現れるまでに時間がかかり、質の高いコンテンツ制作や適切なツール運用が求められるため、初期投資や運用コストが発生する点が課題となります。

Q

リードナーチャリングで大事なことは?

A

リードナーチャリングで大切なのは、単なるリード獲得ではなく、顧客の理解に基づき継続的な情報提供を行い購買意欲を高めることです。ツールを活用しPDCAを回すことで、営業との連携を強化し、長期的な関係構築を目指す戦略が成功の鍵となります。