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広告漫画の制作依頼前に準備すべき10項目!

広告漫画の制作依頼前に準備すべき10項目!
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広告漫画を依頼する前に、準備すべきことは万全ですか?漫画はわかりやすいコンテンツですが、目的やターゲットが曖昧なまま発注すると、想定外のコスト増・納期遅延・仕上がりへの不満につながることも。本記事では、依頼前に整理すべき10の準備項目を、制作会社の視点でわかりやすく解説します。失敗しない広告漫画制作のために、発注前にぜひチェックしておきましょう。

その広告漫画の制作依頼、ちょっと待って。事前準備は万全ですか?
広告漫画は、商品やサービスの魅力をわかりやすく伝える強力な手段です。制作会社に依頼すればプロが並走してくれるため安心ですが、準備が不十分だと想定外のトラブルやコスト増につながりかねません

たとえば「思った以上にコストがかかってしまった」「想定していた納期に間に合わなかった」「コストと納期は守られたのに、期待したクオリティに届かなかった」といった事態です。

ここでは、こうした失敗を避けるために依頼前に整えておくべき項目とその理由を、漫画制作会社の視点からわかりやすく解説します。

広告漫画の製作依頼前に準備すべき項目とその理由

1)目的とゴールの明確化

内容

広告漫画で達成したいこと(例:認知向上/購入促進/資料請求の増加/SNSでの拡散など)を明確にしましょう。複数設定しても構いませんが、目的が多岐にわたる場合は目的ごとに制作を分けた方が効果検証しやすくなります。

理由

目的が曖昧だと、キャラクター・ストーリー・テイストが定まらず、行動喚起につながりにくくなります。あらかじめ成果指標(KPI)を決めておくと効果測定しやすくなります。

実務メモ

KPI例:インプレッション、クリック率(CTR)、コンバージョン数(CV)/率(CVR)、SNSのシェア数 など。目標値を設定しておくと、アピールポイントを考慮できてクリエイティブ判断が早くなります。

2)ターゲットの設定

内容:

年齢・性別・職業・居住地・家族構成・趣味嗜好・よく使う媒体(例:Instagram 多用/LINE 中心)まで具体的に想定しましょう。

理由:

ターゲットの設定によって受け入れやすい絵面や訴求しやすい媒体があります。コマ割りやフォント次第で読みやすさも変わるため、ターゲットが曖昧な“万人向け”は効果が薄くなりがちです。

実務メモ:

同一目的でも複数の代表ペルソナを作成すると有効です(名前・年齢・悩み・購買動機)。
例:佐藤ユタカ/31歳/広告流入が伸びない/漫画広告の柔軟性と訴求力に期待。

3)伝えたいメッセージ

内容:

漫画で必ず伝えたい主要メッセージを3〜5項目に絞りましょう。

  1. 初期費用は無料
  2. 導入が簡単
  3. 無期限のフルサポート

理由:

漫画は情報を伝えやすい分、情報過多になりやすいコンテンツです。優先順位が曖昧だったり不要情報が多かったりすると、本当に伝えたい点が埋もれます

実務メモ:

メッセージには優先度(必須/できれば/補足)を事前に付けておくと、セリフや展開のブレを避けられ、修正回数の削減にもつながります。

4)ストーリー・構成案・ラフ(難易度高)

※この工程は難易度が高いため、難しい場合はパスしても問題ありません。

内容:

起承転結のアウトライン、主要なセリフ案、重要コマのイメージ(例:「商品を試して驚く」「問題解決で感動」など)を簡潔にまとめておきます。

理由:

ラフがあると脚本フェーズを短縮でき、見積もり精度が上がります。加えて、認識の齟齬や修正回数の削減にもつながります。

実務メモ:

コマ数やページ数(例:4コマ、1ページ漫画、縦長LP用)を明記。簡単なワイヤー(手描きでも可)を添付すると意図が伝わりやすくなります。

5)必要なページ数・サイズ

内容:

用途別にサイズ・ファイル形式を指定しましょう(例:SNS投稿/目次ページ/冊子/ポスター/LP など)。

理由

媒体ごとに縦横比や解像度が異なるため、最初に指定がないと再書き出しやトリミングが発生し、追加費用が発生します。

よく使われる例:

  • SNS 正方形:1080 × 1080 px(X〈旧Twitter〉 など)
  • SNS 横長:1200 × 675 px(X〈旧Twitter〉 など)
  • 印刷:A4(縦)/350 dpi

実務メモ:

複数媒体で使う前提なら、最終納品時に媒体ごとの書き出し(RGB/Web 用、CMYK/印刷用)をオプションとして見積りに含めてもらうのが安全です。後から追加すると一括処理できず工数が増え、結果的に割高になりがちです。

6)参考資料やイメージ

内容:

他社の広告漫画を参考資料として用意するのがおすすめです。あわせて、ターゲット層にマッチした作風のサンプルや作家名、紹介したい商品の写真・サービス資料、企業ロゴ、ブランドカラー、指定フォントなども揃えましょう。

理由:

「こんな感じ」「こんな雰囲気で」といった曖昧な表現は解釈の幅が生まれ、齟齬の原因になります。視覚資料を積極的に提示することで、完成イメージのズレを防止できます。

実務メモ:

NG例も併記しておくと効果的です(例:「過度なデフォルメはNG」「暗めの配色は不可」など)。

追加で準備しておくと良い実務資料:

  • 商品の高解像度画像(ロゴ/カラーパレット/フォントデータ)
  • 競合や既存の広告素材
  • FAQ・商品スペックの簡潔な説明文(広告漫画で使う数値や主張の根拠を含む)
  • 使用必須の法的文言(とくに医療・金融など規制産業は必須)

7)予算の目安

内容:

予算の上限を事前に共有しましょう。総額は修正費込みの目安で伝えておくとスムーズです。

理由:

予算が明確だと、制作側は作業範囲(作画品質・修正回数・着彩の有無・外注の可否)を適切に調整できます。工程を一部簡略化したり、社内で用意してもらう項目を設けることでコスト削減も可能です。

実務メモ:

提示例:「広告漫画/1ページ(カラー)・6コマ/修正2回込み/予算8万円」 など。

8)納期スケジュール

内容:

希望する初稿提出日、修正期間、最終納品日、各工程の承認期限(社内チェック期間)を事前に確定させましょう。

理由:

漫画は修正が発生しやすい制作物です。承認の遅延は納期の後ろ倒しの最大要因となるため、迅速なレスポンス体制を整え、社内承認の待機時間を極力なくしましょう。

実務メモ:

発注→キックオフ(1日)→ラフ(5営業日)→線画(5営業日)→着彩+納品(5営業日)→修正(各ラウンド3営業日)…のように日数を明示。社内承認は「各担当2営業日以内」のように事前に合意しておくとよいでしょう。

9)契約条件の確認(権利関係・使用範囲)

内容:

確認すべき項目は、無料修正回数/有料修正回数/有料修正時の費用/納品フォーマット/著作権の帰属/使用期間/使用媒体(翻訳の有無・WEB・印刷)/二次使用の可否/著作者人格権の取り扱い/支払条件/キャンセルポリシー など多岐にわたります。

理由:

広告用途では二次利用(別媒体・別キャンペーン)や海外展開で追加料金が発生する制作会社もあります。権利範囲が不明確だとトラブルの原因になるため、事前の明文化が必須です。

サンプル文言:

「納品物の使用権は発注者に付与(無期限・全世界)」「著作権は制作者に帰属(または別途買い取り)」 など。

実務メモ:

後から要望が出やすいのが、追加修正・二次利用・追加制作・編集可能データ(Illustrator/Photoshop) です。これらの期間や単価をあらかじめ取り決め、見積に反映しておくと安心です。

10)社内での承認フロー(責任者/窓口の指定)

内容

企画・マーケ・営業・法務など、誰が最終承認者か、代理承認の可否、連絡窓口(メール/Slack 等)とレスポンス期待時間を決めておきましょう。

理由:
制作進行後に承認ルートが不明瞭だと、納期が間に合わない可能性があります。一貫性がない担当になると差し戻しが増えがちです。

実務メモ:
社内承認担当を下記のとおり定め、各人の連絡先と「承認作業は2営業日以内」等のルールを明記しておきましょう。

  • コンテンツ確認:マーケ担当(Aさん)
  • 法的チェック:法務(Bさん)
  • 最終承認:部長(Cさん)

連絡手段は一本化することも重要です。メールは埋もれて見逃されやすいため、ChatWorkなどのチャットに承認者を含むグループを作成し、効率的にやり取りできる体制を整えましょう。

修正点はスクリーンショット等の視認性の高い画像で指摘するのが確実です。なお、電話は履歴が残らず「言った・言わない」のトラブルにつながるため、緊急時以外は避けるのが無難です。

製作依頼前チェックリスト(発注時にそのまま渡せる短縮版)

  • 目的(KPI)明記
  • ターゲット1〜2名分
  • 伝えたい主要メッセージ3点以内
  • 予定媒体・サイズ指定(SNS/印刷など)
  • 納品ファイル形式の指定
  • 参考資料
  • 予算上限の目安
  • 希望納期
  • 承認期限
  • 権利範囲の希望(二次利用や著作権)

そもそも依頼前に準備は必要?

広告漫画の制作を依頼する際は、事前準備が不可欠です。広告漫画は、単なる「絵の完成度」を追うものではなく、マーケティング戦略に沿って成果を生むためのコンテンツです。準備を怠ると制作側との認識の齟齬が生じ、時間・コスト・効果のすべてを無駄にしてしまう恐れがあります。

広告漫画は「イラスト制作」とは違う

一枚絵のイラスト制作は、ビジュアル完成がゴールですが、広告漫画は以下のように「成果設計」が前提になります。

比較項目イラスト制作広告漫画制作
目的視覚的な訴求・装飾視覚的な訴求・ターゲットの行動促進
構成要素絵の完成度ストーリー・セリフ・心理描写・訴求力・拡散力
成果指標デザイン品質CVR(反応率)・拡散率・記憶定着
制作プロセス1段階(絵の完成)3段階(構成 → ネーム → 作画)
関与者イラストレーター+ディレクター漫画家+ディレクター+マーケ担当

したがって、依頼前にマーケティング要素を整理しないと制作側が判断できないのです。

準備不足でよくあるトラブル例3選と対応策

①不要な修正や追加費用が発生

制作が進行してから「やはりターゲットは女性向けで」「もっと明るいトーンに」「商品の特徴を入れて」などと方針変更が入ると、構成やセリフを根本的に作り直す必要が生じ、結果として以下のトラブルを招きます。

  • 修正回数の増加
  • 見積りの上振れ(追加料金)
  • 納期の遅延

対策:
発注前に「誰に」「何を」「どう感じさせたいか」を明確にまとめて共有しましょう。

②納期が延びてプロモーション計画に影響

原因:社内決裁や方向性の迷走
制作中に「上司の意見」「他部署の確認」「コンセプトの変更」が出て、初稿→修正→再承認の流れを繰り返してスケジュールが破綻します。

  • 広告出稿日・キャンペーン開始日に間に合わない
  • LPやSNS投稿など他素材との連動が崩れる

対策:

発注前に承認フローとスケジュール(誰が最終決裁者か)を明確しましょう。スケジュールには「社内確認日数」も含めて余裕をもって計算しましょう。

③契約内容の誤解によるトラブル

原因:著作権・使用範囲の確認不足

広告漫画は用途が多岐にわたるため、納品後に「二次利用したい」「海外版を作りたい」となった際、契約上の使用範囲外となり追加料金や権利トラブルが起きてしまいます。

よくある誤解例

  • 「納品されたら自由に使えると思っていた」
  • 「SNS投稿だけのつもりが、印刷物にも使いたくなった」
  • 「漫画の一部を切り抜き、別キャンペーンに再利用したい」

対策:

発注前に「どの媒体で/どの期間/どの地域で使うか」を一覧化し、契約書や見積書に明記してもらいましょう。例:「Web・SNS・印刷を含め、国内で無期限使用可」 など。

なぜ「依頼してから準備」では遅いのか?

制作会社やクリエイターは、発注時点の企画方針を基にスケジュールと見積もりを立てます。依頼後に「目的が変わる」や「ストーリーの再構築」が起きると、これまでの作業が無駄になりやすく、結果として次のような連鎖トラブルを招きます。

  • 修正費の増加(1コマでも描き直しが発生すると大幅なコスト増)
  • 納期の再設定による遅延 → 広告出稿時期に間に合わない
  • ディレクター交代による引き継ぎロス
  • 急ぎ納品に伴うクオリティ低下

つまり、「発注してから考える」のではなく、「考えを整理してから発注する」ことが最も効率的です。

準備をすることで得られる3つのメリット

① 制作会社が最適提案を出しやすくなる

ターゲットや目的、絵柄・テイスト、構成要素が明確であれば、それらに合致する作家や構成案まで含めた的確な提案が可能になります。

② 見積りが正確になり、予算や納期のブレが減る

修正・差し替えのリスクを抑えられるため、最終的な費用とスケジュールをコントロールしやすくなります。

③成果を検証できる漫画になる

KPI を設定しておけば、「効果のある漫画」なのか「改善すべき漫画なのか」を客観的に判断できます。

想定外の項目で悩まない為に!

依頼前の準備を徹底すると、制作側の作業もスムーズになり、修正や追加費用、納期遅延を最小限に抑えられます。

  • すべてを完璧に用意する必要はないですが、最低限の情報は揃えましょう
  • 修正や追加が発生することも前提に予算とスケジュールに余裕をもって設定しましょう
  • 契約内容や権利関係は曖昧にしない、納品後に予想される事象についても確認しましょう

広告漫画は準備が命と言っても過言ではありません。依頼前に「目的・ターゲット・メッセージ・構成・予算・納期・契約」を整理しておけば、想定外の出費や工数、納期遅延を防ぎ、より効果的な漫画広告の制作につながります。

発注後に準備を始めると、修正や追加作業でコストや時間が膨らみがちです。事前準備を軽視せず、チームで情報を共有して進めましょう。

FAQ

Q

広告漫画の依頼前にやるべきことは?

A

依頼前に「目的・ターゲット・伝えたい内容・構成・サイズ・参考資料・予算・納期・契約・社内承認フロー」を整理することで、無駄な修正やトラブルを防げます。漫画制作は依頼内容がまとまってから依頼しましょう

Q

広告漫画の依頼前に準備は必要?

A

広告漫画は「絵」ではなく「戦略ツール」です。準備不足で依頼すると、認識ズレや目的変更が発生し修正費・納期遅延・品質低下の悪循環になることも。効率よく成果を出すには「発注前に方向性を固める」ことが最重要です。

Q

想定外の項目で悩まない為には?

A

依頼前に「目的・ターゲット・構成・予算・納期・契約」など最低限の情報を整理することで、修正・追加費用・納期遅延のリスクを最小化できます。事前準備こそが、広告漫画成功のカギです。