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企業理念の浸透が必要な理由と、オススメ施策


企業理念は、企業の存在意義や価値観、目指す未来を示す大切な指針です。社員が共通の理念を理解し行動することで、組織の一体感やモチベーションが高まり、企業の持続的な成長につながります。理念が浸透していないと、チームワークの低下や離職率の上昇など、様々な課題が生じる原因にも。今回は企業理念の役割やメリット、浸透させるためのポイントについて解説します。
目次
企業理念とは?

企業理念とは、企業が活動する上での基本的な考え方や価値観、目的を明文化したものです。これは、企業の存在意義や社会に対する使命(ミッション)、将来のビジョン、行動指針などを示すことが多く、経営判断や社員の行動の指針となります。
企業理念が浸透していると、社員の行動に一貫性が生まれ、共通認識のもとで安心して仕事に従事できます。逆に、企業理念が浸透していないと、社員の行動に一貫性がなく、それぞれが異なる方向に動いてしまい、望ましくない結果につながる可能性があります。
企業理念を策定する際には、企業の存在意義や目指す未来像、そして社員が共有すべき価値観を明確にすることが大切と言えます。
企業理念の主な構成
企業理念は、以下のような要素で構成されます。トヨタ自動車株式会社を例に見てみましょう。
1.ミッション(Mission):企業が社会に対して果たすべき使命や存在意義
“わたしたちは、幸せを量産する。
だから、人の幸せについて深く考える。
だから、より良いものをより安くつくる。
だから、1秒1円にこだわる。
だから、くふうと努力を惜しまない。
だから、常識と過去にとらわれない。
だから、この仕事は限りなくひろがっていく。”
2.ビジョン(Vision):企業が将来的に目指す姿や方向性
“不確実で多様化する世界において、
トヨタは人とモノの「可動性」=移動の量と質を上げ、
人、企業、自治体、コミュニティができることをふやす。
そして、人類と地球の持続可能な共生を実現する。”
3.バリュー(Value):企業が大切にする価値観や行動指針
“ソフトとハードを融合し、パートナーとともに
トヨタウェイという唯一無二の価値を生み出す。”
4.カルチャー(Culture):企業の風土や習慣であり、行動様式
トヨタグローバルビジョン:グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす。
漫画を使った理念浸透事例
企業理念の全社員への浸透は、抽象的な表現や将来のビジョンを文章で伝えるだけでは難しいことがあります。 しかし、漫画を活用することで、具体的なイメージを持たせ、社員が理念を理解しやすくすることが可能です。以下に、漫画を使った理念浸透の事例をご紹介します。
企業理念の浸透が必要な理由やメリット
企業理念の浸透は、組織の成長と社員の一体感を促進する上で不可欠です。明文化された企業理念が社内に深く根付くことで、社員は共通の価値観を持ち、統一された行動が可能となります。これにより、意思決定のズレやモチベーションの低下を防ぎ、組織全体の統一感を生み出すことができます。結果として、持続可能な成長の実現に寄与します。
さらに、企業理念の浸透は、社員の意識統一やモチベーション向上、人材採用の円滑化、長期戦略の策定にも有効です。社員が共通の価値観を持つことで、団結力が高まり、仕事に対する誇りと責任感が育まれます。また、理念に共感する人材が集まりやすくなり、採用基準も明確化されます。明確な理念は、外部の影響に左右されず、企業が本来目指すべき目標に向けた長期的な戦略を組みやすくします。
1.組織の一体感を生む
企業理念が共有されることで、社員が同じ方向を向いて働くことができ、チームワークが強化されます。
2.意思決定の基準になる
企業理念が明確であれば、社員一人ひとりが何を基準に判断すべきかが分かり、迅速かつ適切な意思決定が可能になります。
3.社員のモチベーション向上
企業理念に共感できると、仕事の目的が明確になり、やりがいを感じながら働けるようになります。
4.企業ブランドの強化
社員が企業理念を理解し、それに基づいた行動を取ることで、社外に対しても一貫したブランドイメージを発信できます。
5.企業の成長と持続可能性を高める
企業理念が浸透していれば、どんな環境変化があっても、企業の方向性がブレにくくなり、長期的な成長が期待できます。
企業理念が浸透しないと起こる問題
企業理念が浸透しないと、組織の統一感が失われ、社員のモチベーションが低下し、最終的には業績にも悪影響を及ぼします。
問題 | 影響 |
1.組織の一体感が失われる | チームワークの低下、社内の方向性がバラバラになる |
2.意思決定のズレ | 業務のスピード・質が低下し、混乱が生じる |
3. モチベーション低下・離職率上昇 | やりがいを感じにくく、優秀な人材が流出 |
4. 顧客対応・品質のばらつき | 信頼を失い、売上やブランドに悪影響 |
5. 企業文化が希薄になる | 会社の「らしさ」がなくなり、差別化が難しくなる |
6. 持続的な成長が難しくなる | 短期利益ばかりを追い、長期的な戦略が機能しない |
1. 社員の価値観がバラバラになり、組織の一体感が失われる
企業理念が共有されていないと、社員それぞれが異なる価値観で行動するため、組織の一体感が生まれにくくなります。
▼具体的な影響
- 部署やチーム間の連携がうまくいかず、意思疎通が難しくなる
- 目標達成への意識が統一されず、全体の方向性が定まらない
- 「この会社で働く意味が分からない」と感じる社員が増え、エンゲージメント(会社への愛着)が低下する
▼具体的なリスク
- 「顧客第一主義」を掲げる会社でも、社員によって顧客への対応にバラつきがあると、顧客の信頼を失う可能性があります。
2. 意思決定のズレが発生し、業務のスピードや質が低下する
企業理念が共有されていないと、社員それぞれが異なる価値観で行動するため、組織の一体感が生まれにくくなります。
▼具体的な影響
- 部署やチーム間の連携がうまくいかず、意思疎通が難しくなる
- 目標達成への意識が統一されず、全体の方向性が定まらない
- 「この会社で働く意味が分からない」と感じる社員が増え、エンゲージメント(会社への愛着)が低下する
▼具体的なリスク
- 例えば、ある社員は「利益最優先」と考え、もう一人の社員は「品質重視」と考えている場合、同じプロジェクトでも判断が異なり、混乱を招くことになります。
3.社員のモチベーションが低下し、離職率が上がる
企業理念が浸透していないと、社員は「何のために働いているのか」を見失いやすくなります。仕事に対する意義を感じられないと、モチベーションが低下し、離職につながる可能性があります。
▼具体的な影響
- 仕事にやりがいを感じられず、社員が受け身になりがち
- 自分の業務が会社の成長にどう貢献しているのかが分からず、不安を感じる
- 企業のビジョンに共感できない社員が増え、定着率が低下
▼具体的なリスク
- 特に若手社員は「企業理念やビジョンへの共感」を重視する傾向があるため、理念が伝わっていないと「この会社で働き続ける意味が分からない」と感じ、転職を考えることもあります。
4.顧客対応やサービスの品質に一貫性がなくなり、信頼を失う
企業理念が社内に浸透していないと、社員の対応がばらつき、顧客に対して統一感のあるサービスを提供できなくなります。
▼具体的な影響
- 顧客対応に差が生じ、不満を持たれる
- ブランドのメッセージと実際のサービス内容が食い違い、信用を失う
- リピーターが減り、売上や業績に悪影響を及ぼす
▼具体的なリスク
- 例えば、あるホテルが「おもてなし」を理念として掲げているにもかかわらず、スタッフごとに対応が異なれば、顧客の満足度が下がり、悪い口コミにつながることもあります。
5. 企業文化が希薄になり、組織のアイデンティティが失われる
企業理念は、会社の文化を形成する重要な要素です。これが浸透しないと、企業の個性がなくなり、社員にとっても働く魅力が薄れる可能性があります。
▼具体的な影響
- 会社の「らしさ」がなくなり、競合との差別化が難しくなる
- 社員が愛着を持ちにくくなり、帰属意識が薄れる
- 新しい取り組みやイノベーションが生まれにくくなる
▼具体的なリスク
- 企業文化が薄い会社では、「何を大事にすべきか」が分からないため、社員が受け身の姿勢になり、積極的な挑戦をしなくなることがあります。
6. 企業の持続的な成長が難しくなる
企業理念は、長期的な企業の成長に不可欠です。理念が浸透しないと、短期的な利益ばかりを追い求めるようになり、持続的な発展が難しくなります。
▼具体的な影響
- 短期的な利益追求に走り、長期的なビジョンが持てなくなる
- 組織の方向性が変わりやすく、安定した成長が難しくなる
- 社員の意識が分散し、新しい戦略が浸透しにくくなる
▼具体的なリスク
例えば、短期的な売上目標を優先しすぎて、長年の顧客を軽視するような戦略を取ると、長期的にはブランド価値の低下につながります。
企業理念を浸透させるオススメの施策とポイント
企業理念を浸透させるためのオススメ施策
- 経営トップが率先して発信:経営陣が理念を体現し、繰り返し発信することで、社員への影響力が高まります。
- 社内研修の実施:新入社員研修だけでなく、定期的に理念を学ぶ場を設けることで、社員全体の理解が深まります。
- 社内イベントの開催:企業理念をテーマにしたワークショップやディスカッションを行い、社員が実践的に考える機会を作ります。
- 社内SNSやアプリの活用:従業員が日常的に理念を意識できるよう、専用の社内アプリを開発・導入することが有効です。
- 評価制度への組み込み:企業理念に沿った行動が評価される仕組みを作ることで、社員の実践を促します。
企業理念を浸透させるポイント
1.シンプルで分かりやすい言葉で伝える
抽象的な表現を避け、具体的で簡潔な言葉を用いることで、従業員が理解しやすくなります。
2.継続的なコミュニケーション
一度伝えるだけでなく、定期的に理念について議論する場を設けることが重要です。
3.従業員の意見を取り入れる
理念を押し付けるのではなく、従業員が自ら考え、実践できる環境を作ることが必要です。
企業理念は経営途中で変えない!
企業理念は、創業時に定められたものであり、会社や社員の在り方を示す重要な指針です。これを覆すことは、会社そのものを作り替えることと同義であり、会社としての一貫性が損なわれると、従業員や顧客に大きな影響を及ぼします。そのため、一度決めた企業理念を経営途中で変更することは、基本的には避けられるべきです。
しかし、絶対に変更してはいけないというわけではありません。時代の変化や経営方針の都合上、やむを得ない場合には、変更が検討されることもあります。その際には、経営陣や従業員、顧客など関係者各位への影響を十分に考慮し、慎重に決定することが重要です。
企業理念を浸透させたことによる成功事例
リッツ・カールトン
「We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen.(紳士淑女をおもてなしする私たちも紳士淑女である)」という理念を徹底し、世界中で高品質な「ゴールドスタンダード」と呼ばれるサービスを提供しています。
スターバックス
「私たちは、人間らしさを大切にしながら成長し続けます」
「思いをかたちにする」、「成果に責任をもつ」、「勇気をもって向き合う」、「互いを理解し認め合う」、「楽しむことを力に」という行動指針のもと、一杯から広がる心かよわせる瞬間に無限の可能性を信じて、世界中で認められるスターバックスな未来を提供しています。
リクルート
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という理念を社内に根付かせ、挑戦を奨励する企業風土を形成しています。
JAL
「全社員の物心両面の幸福を追求し、お客さまに最高のサービスを提供します。企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。」という企業理念に基づき、JALで働いていてよかったと思えるような企業でなければ、お客様に最高のサービスを提供できないと信じています。
企業理念を浸透させるための社内用アプリケーション
企業理念を日常的に意識するための施策として、社内報アプリの活用は非常に効果的です。例えば、Web社内報アプリ『SOLANOWA』は、80万人以上のユーザーが利用するシェアNo.1のアプリで、「みんなが会社のファンになる」をコンセプトに、企業のインナーコミュニケーションを活性化させることで、エンゲージメントの高い組織作りをサポートしています。
社内報アプリを導入することで、以下のような効果が期待できます
- 経営理念や経営者の想いの浸透:経営層からのメッセージを継続的に発信し、従業員に推奨される行動を伝えることで、理念の浸透を促進します。
- 行動や判断の基準が明確になり組織の生産性が向上:理念に沿った行動が評価される仕組みを作ることで、社員の行動が統一され、生産性の向上につながります。
- 会社が目指す方向が従業員にまで浸透する:社内報を通じて、企業のビジョンや戦略を共有することで、全社員が同じ方向性を持って業務に取り組むことができます。
- 自社にあった優秀な人材の確保と維持:企業理念が浸透し、魅力的な企業文化が形成されることで、優秀な人材の採用と定着が期待できます。
まとめ
企業理念は、会社の一貫性を示し、社員が一体となって業務に取り組むために必要不可欠なものです。しかし、企業理念が浸透していないと、企業文化の希薄化やサービス品質のばらつきといった課題に直面することがあります。これらの課題を解決するために、企業理念の浸透を目的としたアプリケーションやサービスが数多く提供されています。
企業理念の重要性と、その浸透によるメリットを理解することで、組織に適した施策が見えてくるでしょう。多くの企業が企業理念の浸透に力を入れているのは、それだけの価値があるからです。ぜひ、これを機に企業理念の浸透を目指し、一歩踏み出してみてください。
FAQ
なぜ企業理念は必要?
企業理念は、企業の存在意義や価値観を明確にし、社員全体が共通の目標に向かって一致団結するための基盤です。理念が浸透しないと、企業文化が希薄になり、サービス品質や業績にばらつきが生じるリスクがあります。そのため、理念の共有は組織の一貫性と信頼性を高め、持続的成長に不可欠です。
企業理念の浸透が必要な理由は?
企業理念の浸透は、社員が共通の価値観と目標を持ち、統一された行動を取るために不可欠です。明文化された理念は意思決定の基準となり、組織の一体感やモチベーション向上、採用基準の明確化を促します。結果として、一貫したブランドイメージを構築し、持続可能な成長を実現します。
企業理念がない場合のリスクは?
企業理念が浸透しないと、組織全体の一体感が失われ、チームワークや意思決定がバラバラになります。結果、社員のモチベーション低下や離職率の上昇、顧客対応や品質のばらつきが生じ、企業文化が希薄になり、持続的な成長が困難になります。