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Z世代が好む広告とは?データからみるオススメ媒体や2025年のミームを紹介!


Z世代とは、1997年~2012年生まれの「デジタルネイティブ」世代を指します。幼少期からインターネットやスマートフォンが普及し、SNSや動画コンテンツを活用して情報収集やコミュニケーションを行うのが特徴です。従来のテレビや雑誌よりも、TikTokやYouTubeなど短時間で消費できるコンテンツを好み、企業の広告手法にも変化をもたらしています。本記事では、Z世代の価値観や消費行動に迫り、彼らに響くマーケティング戦略を解説します。
Z世代とは?
Z世代(1997年~2012年生まれ)は、生まれたときからデジタル環境が整っている「デジタルネイティブ」世代です。この世代は、インターネットやスマートフォンが日常生活の一部となっており、情報収集やコミュニケーションの手段として約9割(総務省資料より)が活用しています。そのため、従来のテレビCM、新聞、雑誌などのマスメディアによる広告には関心を示さない傾向があります。実際、Z世代の多くはテレビを視聴せず、雑誌や新聞を購読しない層が多いため、これらの媒体での広告に触れる機会自体が少ないのが現状です。
Z世代の特徴
この世代の特徴として、情報の取捨選択が迅速であることが挙げられます。興味のない広告や動画は即座にスキップし、時間対効果(タイムパフォーマンス、略して「タイパ」)を重視します。そのため、短く簡潔なコンテンツを好みます。
また、Z世代は自分の価値観に共感できるものを重視し、視認性が高く、伝わりやすいデザインや、複雑でない明確なメッセージを好む傾向があります。
このような特徴を踏まえ、Z世代にアプローチする際には、短く簡潔で共感を呼ぶコンテンツ作成や、視認性の高いデザイン、明確なメッセージを心がけることが重要です。
Z世代が嫌う表現
不安を煽る表現
例えば、「〇〇ばかりしていると将来困る。毎日〇〇をしていないか?そうならない為に△△をする必要がある。」といった、自身(現在・未来の状況)を不安にさせるようなメッセージは敬遠されます。
コンプレックスを助長する表現
例えば、「〇〇が趣味の人はモテない。しかし△△という商品を使えば、金銭や時間の問題を素早く解決できて恋愛におけるデメリットではなくなる!」など容姿やライフスタイルに対する押し付けや否定的な表現は、不快感を与えます。
Z世代は、興味のない広告や売り込み感の強いコンテンツ、欲しい情報を得るまでに長くなりそうと感じた場合は最後まで視聴せず、スキップすることが一般的です。一方で、関心のあるコンテンツには深く没入し、同様のコンテンツを繰り返し視聴する傾向があります。
そのため、広告や動画制作においては、冒頭で視聴者の興味を引く工夫が求められます。つまり、結論を最初に示す「結論ファースト」の手法や、冒頭数秒で注目を集める演出が効果的です。
Z世代にオススメの広告媒体とは?
Z世代(1997年~2012年生まれ)は、生まれた時からインターネットやデジタル機器が身近に存在する「デジタルネイティブ」として知られています。スマートフォンやタブレットの操作に抵抗がなく、これらのデバイスを日常的に活用しています。特にスマートフォンの所有率は高く、情報収集や動画視聴など多くの活動がスマートフォンを中心に行われています。
Z世代は、短時間で効率的に情報を得ることを好む傾向があり、短い動画コンテンツが人気です。そのため、TikTokやYouTubeのショート動画など、短時間で視聴できるコンテンツが支持を集めています。また、LINEやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSも高い利用率を誇り、これらのプラットフォームを通じて情報収集やコミュニケーションを行っているため広告展開におススメです。
オススメの媒体①(取捨選択を助長されているUI)
図:国内のSNSの利用率

YouTubeやTikTokでオススメされる動画はユーザーごとに最適化され、視聴したコンテンツに関連性の高いものを次々に出してきます。また、オススメした動画をスキップした場合には、スキップしたコンテンツと関連するものを避けていくようになっており、しっかりとZ世代の好む傾向に合わせられています。
一方で、強制的に視聴させる長時間の広告や、スキップできない広告は敬遠されすぐに別のプラットフォームへ流れて行ってしまいます。また、目次による見たい場所までのスキップ機能や、字幕で音が聞けない・聞こえづらい公共交通機関などでも見やすいものなどが好まれます。
このことから、広告媒体はYouTubeやTikTok、自身で検索して知りたい情報を表示させる検索広告が良いでしょう。
オススメの媒体②(共感できるプラットフォーム)
Z世代は自身の価値観を共有できるプラットフォームとして、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、LINEなどのSNSを積極的に利用しています。特に、InstagramやTikTokはZ世代の利用率が高く、これらの媒体を活用したマーケティング戦略が効果的とされています。
図:年代別Tiktok利用率

一方で、SNSごとに年代別の数値をグラフ化してみると、Facebookは10代~20代の利用率が低いことがわかります。そのため、Z世代向きの広告としては不向きな媒体となります。
図:年代別Facebook利用率

また、全体の利用率としてはTikTokが5位ですが、10代~20代の利用率は非常に高いのでオススメです。Z世代に刺さる広告のポイントを押さえておきましょう。
図:年代別Tiktok利用率

Z世代が好む広告の特徴
Z世代に効果的な広告を作成するためには、以下のポイントを押さえて配信しましょう。
1.取捨選択の自由
Z世代は、自分で情報を選ぶことを重視します。強制的に視聴させられる広告(例:スキップ不可の動画広告)は嫌われやすく、スキップ可能な広告や、ユーザーが自ら選んで視聴する広告が好まれます。
2.共感性
Z世代は、企業やブランドの価値観に共感できるかどうかを重視します。例えば、企業が社会的な取り組みを支持していることを明示したり、Z世代に人気のミームを取り入れた広告などは、多くの共感を得やすいでしょう。
3.タイムパフォーマンス
Z世代は、短時間で多くの情報を得たいためタイムパフォーマンス重視の傾向があります。そのため、5秒〜15秒ほどの短くて見やすいショート動画広告が効果的です。
4.視認性の高いデザイン
視覚的にインパクトがあり、一瞬で目に留まるデザインが求められます。視認に時間がかかる広告だと理解する前に離脱されるリスクがあるためです。そのため、カラフルでポップな色合い、大胆なフォントやシンプルなレイアウト、イラストやアイコンを活用するなどして視認性を高めましょう。
5.わかりやすいメッセージ
長々とした説明は嫌われがちで、キャッチーなフレーズや短いコピーが好まれます。タイムパフォーマンスを重視し、視認性の高いデザインを好むZ世代には、わかりやすいメッセージが重要です。回りくどい言い方や伝わりづらい表現を避け、はっきりとメッセージが伝わるように意識しましょう。
6.ミーム(Meme)
Z世代は、ミーム(インターネット上で拡散されるネタやジョーク)を日常的に楽しんでいます。そのため、流行のミームを取り入れた広告は、比較的容易に拡散されやすいです。例えば、コメダ珈琲店は「猫ミーム」を社員が肉声で再現した動画をTikTokに投稿し、話題を集めました。
また、eat愛媛朝日テレビは川之江高校の生徒とコラボし、人気のダンス「APT」を踊る動画をTikTokに投稿し、多くの反響を得ています。新しいミームは次々と生まれるため、最新のトレンドを取り入れ、タイムリーに投稿することが重要です。
7.形
シンプルで直感的に理解しやすい形が好まれます。丸みのあるデザインや、対称的で整理されたレイアウトが良いでしょう。複雑な形でも、先述した通り、視認性の悪さや読解に時間がかかる、メッセージが伝わりづらいなどの問題がなければ支障ありません。また、スマホ画面に最適化された縦長フォーマットの方が、より見やすいと言えるでしょう。
8.漫画
日本のZ世代は、漫画を好む傾向が強いため、広告にも漫画の要素を取り入れると効果的です。ストーリー形式の漫画広告や漫画動画広告、漫画風の吹き出しやコマ割りを活用したデザインも分かりやすくておすすめです。
また、有名な漫画・アニメのパロディを取り入れた広告は、商品やサービスを知らないユーザーにも刺さりやすいです。
2024年の漫画売上のトップ3は、1位『呪術廻戦』、2位『ONE PIECE』、3位『SPY×FAMILY』でした。『SPY×FAMILY』を起用した企業は25社を超えます。日清食品、サントリー、ロッテ、ローソンといった有名企業がこぞって漫画広告を採用しているのです。Z世代も含め、年齢・性別問わず多くの人の目に留まる漫画広告の効果は絶大だと、25社もの有名企業が証明していると言っても過言ではありません。
2025年以降に流行る可能性が高いミーム
1.AI生成ミーム
AIを活用して、個人ごとにカスタマイズされたミームが生成される時代が到来するかもしれません。
既に、人物が動く動画をAIがリアルタイムでアニメ調に変換するなどの技術が存在しています。
これらの技術は広告にも応用され、ブランドごとにターゲットに合わせたミームが配信されるようになる可能性があります。
AI生成は、著名人を起用したり、著作物とコラボしたりするよりも、はるかに安価で短時間で量産が可能というメリットがあるため、今後の需要は十分に期待できるでしょう。
ただし、AIが生成するコンテンツには著作権や肖像権の問題が絡むため、企業が安易に手を出すのはリスクが伴います。
特に、AIが学習元とした画像や動画が第三者の著作物である場合、法的なトラブルに発展する可能性もあります。
現状、著作権に関する法整備は進んでいるものの、企業がAI生成コンテンツを広告に活用する際は、十分なリスク管理と慎重な対応が求められるでしょう。
2.バーチャルインフルエンサーミーム
バーチャルインフルエンサーがさらに進化し、ミーム文化の中心となる可能性があります。
既にVTuberと呼ばれる存在は、職業として確立されるほど一般に浸透しています。
企業のキャラクターやAIモデルが独自のミームを生み出し、それを広告に活用する流れが加速するかもしれません。
3.ノスタルジック・リミックスミーム
1990年代・2000年代の懐かしい映像や音楽をリミックスしたミームが、引き続き流行する可能性が高いです。
既にTikTokでは、平成初期の音楽と現在の出来事を絡めた動画が多く見られます。企業広告でも、あえてレトロな要素を取り入れた演出がZ世代に響く手法として注目されるでしょう。
Z世代に響く広告の成功事例
Z世代に響く広告は、単なる商品PRではなく、ミームや共感性を活用したマーケティング手法が効果的です。
1: DuolingoのTikTok戦略
語学アプリのDuolingoは、公式TikTokアカウントで人気のミームを活用し、ユーモアたっぷりの投稿を行っています。その結果、Z世代からの支持を集め、ブランド認知度が大幅に向上しました。
以下の投稿は、公開から約2週間で300万いいねを記録しています。
「痛バ」や「プロセカ」に関する知識がない人には意味不明に思えるかもしれませんが、それでも衝撃的なキャラクターは記憶に残るでしょう。
何度も繰り返し視聴されることで、「Duolingo Japan」という名前も自然と覚えてもらえる効果が期待できます。
2: Wendy’sのSNSマーケティング
ファストフードチェーンのWendy’sは、X(旧Twitter)でウィットに富んだツイートを投稿し、ミーム文化を取り入れたマーケティングを展開。これにより、Z世代からのエンゲージメントを獲得しています。
TikTokでは190万以上のフォロワーを抱え、流行のアニメ(ラブライブ!)、ゲーム(ペルソナシリーズ)、アイドルグループ(SAY BY NAME、パンダドラゴン)とコラボを次々に展開し、フォロワー数を増やし続けています。
まとめ
Z世代が好む広告を作るには、「短くてわかりやすい」「共感できる」「視認性が高い」といったポイントを押さえることが重要です。
また、Z世代が日常的に使用するTikTok、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)などのプラットフォームに最適化したフォーマットで配信することも、広告の成功につながります。
広告の内容だけでなく、伝え方やデザイン、メッセージの工夫によって、Z世代にとって魅力的な広告を作ることができるでしょう。
2025年に向けて、新しいミームやAI技術を活用した広告が主流になる可能性もあります。
Z世代のトレンドや価値観の変化を常に捉え、柔軟に広告戦略をアップデートしていくことが、今後のマーケティング成功のポイントとなるでしょう。
FAQ
Z世代の特徴とは?
Z世代(1997年~2012年生まれ)は、生まれたときからデジタル環境に慣れ親しんだデジタルネイティブです。インターネットやスマートフォンを活用して情報収集し、短く簡潔なコンテンツや共感できるメッセージを重視するため、従来のマスメディア広告よりもデジタル広告に敏感な特徴があります。
Z世代にオススメの広告媒体とは?
Z世代はスマホ中心の生活を送るデジタルネイティブで、短時間で情報を得ることを好みます。TikTokやYouTubeのショート動画、InstagramやLINEなど、共感を呼びながらユーザーごとに最適化されたSNS広告が効果的です。長時間や強制視聴型の広告は敬遠されやすいですので広告掲載するプラットフォームの特徴を確認しましょう。
Z世代が好む広告の特徴は?
Z世代は自ら情報を選ぶ自由を重視し、強制的な視聴ではなくスキップ可能な広告を好みます。また、共感できる価値観や短時間で伝わる明快なメッセージ、視認性の高いシンプルなデザインが求められ、流行のミームや漫画要素を取り入れた表現が効果的です。